2024 11,23 00:46 |
|
2009 05,11 20:45 |
|
役に立たない。の五月様からキリバン(4800)でいただいた、影鋼~♪
めちゃくちゃな雪子の願望をかなえてもらっちゃいました。てへっ。 お礼はすでに言ったし……いいかな(汗) 載せちゃいました。さぁ、つづきはこちらをプッシュしよう! 早夏、高く澄み渡る青空に白い雲が流れる。こう晴れた天気はああ洗濯物がよく乾くだろうな、いや弁当を作ってピクニックでもいい、爽やかな新緑の中でのんびりと過ごしたらきっと気分がいいだろう。 「だが…何がどうなってるんだ?」 椅子に拘束されたメタルは何度目とも付かぬ溜め息と共に悲痛な声を洩らした。諦めなよ、と傍らで掛け金の計算に忙しいバブルが投げやりに慰めを口にする。何 を、と身動ぎしたくともぎっちりと両手両足を高々と表彰台の上の椅子に繋がれたメタルには叶わず転げ落ちないように自制するのだった。 ワイリー城の経営不振により突如開催されたレースゲームは盛況のようであった。バブルの前に山と詰まれた重そうな革袋を見るとそれは判る。ああ俺は不肖ながら博士の役に立てているのか。それだけが救いだがもうちょっと能動的な役に立ちたかった。うなだれたメタルににやにやとバブルは笑って横目を流すと安心しなよと言った。 「ここだけの話博士にはかなり八百長してるから、まず大丈夫だよ」 「そうだろうか…?」 「まぁ、いざとなればクイックがいるし」 「それが問題なんだ!」 メタルは珍しく声を上げて拘束をされたまま思わず椅子ごと立ち上がる。クイックはちゃんと出場した意味を判っているのか。博士が敗れた時の保険として、間違ってもワイリーナンバーズのロボットが他の博士の手に渡らないようにする為なのだが。 「あいつ、勘違いしてないか?」 「さぁねぇ、バトチェモード入ってたし」 ちゃんと聞こえてたかなぁ、顔色を変えて睨み付けるメタルにバブルは視線をずらして曖昧に答える。バブルからしては些細な違いなのだろうが、どちらにしろ掛け 金はばかすか入るんだから。恨みがましく睨むメタルの背中の椅子を無理やりに押さえ付けられて再び座らせされた。振り返るとマイクを握ったフラッシュが溜 め息ついている。 「賞品が動き回るなよ」 「賞品って言うな!」 「あーハイハイ、お。エアー!カメラはどうだ?」 フラッ シュは中継で上空からカメラを回すエアーと連携を取る。無線で現在の状況を確認すると景気よくマイク片手に実況し始めた。 ボスステージありトンネルあり消 える階段あり至る所にトラップありの目茶苦茶ハードなこのコースも最早終盤、最終コーナーを回り残すところ直線のみとなった。砂煙を上げて近付いてくるの は紫の機体。Wの輝かしいドクターワイリーの機体だ。それにぴったりと付き従っているのはクイック。 多少傷だらけのボディは博士を擁護していた為らしく レースとしては不満そうだが万事うまくいった様子で笑みを浮かべていた。 この分ではトラップ掛かりのヒートやクラッシュも随分景気よく参加者をリタイアさ せていったのだろう。後に続くものはなかった。 流石は我等がワイリーナンバーズ。団結力は随一だ。 運営と出場者が結託した展開に観客は野次を飛ばすがフ ラッシュも司会の立場を忘れて「バーカ、こちとらこれが作戦なんだよ!そうそうメタルを他の奴等に取られてたまるか!」とやり合っていた。 エンジン音が目 の前を走り抜ける。一陣の風となり凱旋したワイリーにメタルは立ち上がり、燥ぐかわりに耳がぴょこぴょこと揺れる。 レーススタート時は20名近 かったレーサーも数ある悪意あるトラップに引っ掛かって、大した番狂わせもなく平和的に今ゴールしたのだ。 メタルの拘束が解かれて観客の凄まじい野次の元 表彰式が始まる。 表彰台を昇り来るワイリーをヴァージンロードかのように大人しく待ち続けながらわざわざ自分の為に優勝してくれた生みの親を熱っぽくメタ ルは見つめた。 バブルのやる気のない声が1位の博士には賞品のメタルが贈られます、と授与式を進めた。 「博士…っ!」 メタルは待ち切れないように階段を二三駆け降りるとワイリー目掛けて抱き付いた。普段は兄として自重していても振り切れた感情メーターから博士の身体に飛び付くが、その身体はいやにがっしりと固く、違和感を感じる間もなくメタルを抱きすくめると低い声で笑った。 「もう安心してくだされ、メタル殿」 「メタル、殿?」 聞 き覚えのある声、独特の口調。恐る恐るメタルが顔を上げるとワイリーはびりと顔の皮を破り、変装を解いた。急激に伸びる身長に額に手裏剣型のメット、メタ ルを抱いて表彰台に立っていたシャドーはにっこりと満面の笑みを浮かべていた。途端会場はざわめき動揺に包まれる。遅れて声の戻ったナンバーズだったが、 一番先に叫んだのはフラッシュだった。 「あーッ!なんだよお前いつ入れ替わってんだ!」 「最初でござるよ。クイック殿と博士の連携は読めていた上、利用させて頂いた」 「クイックは何してたの!」 バブルも混乱したままぽかんと二番目の台に載っていたクイックを見遣る。急に矛先を向けられて首が千切れんばかりに左右に振りながらクイックは声を裏返させる。 「しっ…仕方ねーだろ!最初はあんな人数、削るので精一杯でまさか博士狙うなんて…!」 「フ、しかし拙者の勝利に間違いなかろう。これぞ作戦勝ちという!」 高笑いするシャドーに、はと我に帰ったバブルは懸け表を見比べて息を飲んだ。 「ちょ、大穴過ぎて掛け金が…うわ、スネーク一人勝ち!?」 「スネーク殿とは予め結託していたのでござるよ、メタル殿も金も手に入って一石二鳥でござるなー。文句はなかろう?審判殿?」 「クッ…」 充 分卑怯な審判団は、更に上を行ったシャドーに最早返す言葉もない。この鬼、下衆、父親たる博士を手に掛けるなど血も涙もない野郎め。悪役ロボットとしては 真っ当な不満が胸を渦巻くもメタルの肩を抱いてにやつくシャドーに喉を詰まらせて歯がみするばかりで、そんなナンバーズを尻目にシャドーはいそいそとメタ ルの肩を押してそのまま表彰台を降りようとする。 「ささ、メタル殿!今日から拙者がメタル殿の…」 「…博士は?」 ぐいと、意外にも重い手応えにぽつんとメタルの呟きが聞こえる。何事かとメタルの顔を覗き込むと、完全に瞳孔を開いたメタルが青筋立ちながら笑顔に見えぬ極上の笑みを浮かべてシャドーに首を傾げた。 「博士は、何処にやったんだ?え?この外道…」 怖い、笑顔に不釣り合いなドスを聞かせた声が低い。やばい。脳内の警告のままに弾かれたようにシャドーは抱いていたメタルの肩を離してバンザイをすると冷や汗をかきつつ慌てて弁解をする。 「あ、安心なされよ!コース脇の茂みでちょいと眠ってもらっただけで…」 「そう、博士…無事なのか。じゃあ」 すうと息を吸ってメタルが手を翳した。その手に握ったメタルブレードの刃を光らせてメタルははは、と乾いた笑い声を上げた。 「今度はお前をサーキットに眠らせてやろう。」 さあとシャドーの顔から血の気が引く。 「ちょ、ま…っ!審判!じ、辞退を…」 「「ごゆっくりどうぞー」」 慌てて振り返るシャドーだが即座に撤収を決めたナンバーズが掛け金だけ抱えて全力疾走していた。流石ナンバーズ、連携はいつも冴え渡っている。 「え。や…あの」 「ほら、シャドー」 ぽつんと取り残されたシャドーは呼ばれる声にぎこちなく振り返る。逃げてもいいんだぞ?と微笑むメタルの声を最後に、サーキットからは一昼夜断末魔が途切れずに。呪われたレースとして黒歴史に名を残したのはまた別の話だとか。 サーキットには魔物が棲む はふぅ~、眼福、眼福、ごちそうさま~でした。 たまたまゲットしたときやったねとか、思わずパソコンの前でガッツポーズをとったりしました~♪ 気になった方は、リンクもあるので(無断)じっくりと五月様のサイトをお楽しみください。素敵な鋼受けがいっぱいですよ~♪ PR
|
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |