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2009 07,18 05:42 |
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と、いっても丁目が変わっただけですが。荷造りしましたけどね。
しかし、それとあわせても今回は難産でした(汗) では2222ヒットリク。そしてクリスタルが主役です。 空色のボディからスカイと名乗る、末子。 水晶のきらめきに映るのは哀れな捕食者。 「だって、そうでしょう……お前の苦しむ姿が見える、のだから……」 ガーネット色の瞳が冷酷に宣告した。 青い氷の果てに… ここは辺境の惑星《ブルー・ハ……》 最後の二文字は分からない。 それはこの星の名をかたるものがいないから。そう、ここはすでに地図から抹消され、古びた文献からやっとのことで認識できた箇所からの名が冒険者たちに口授されているだけにすぎないから。 冷たい氷しかない大地だが、それでもクリスタル・スカイは遣ってきた。 自身の占いで。 ここにどうしても訪れなければならないと警告されて。 兄弟機たちは殆んど呆れていた。 ただ――スカイがそういうなら、必要になるんだね。 ほれ、E缶。 無理はするなよ。 まぁ、少しはフォローしてやるよ。 頑張ってね☆ と、いう激励を受けた。 こういう時自身のこだわりを許容してくれる仲間たちがいることはありがたい。 衛星を打ち上げ、この惑星の地理を上空から見たものではあるもののスカイの電子頭脳に送ってくれた。それに、彼の危機を事前に察知し、回避しやすいようにサポートもしてくれる。 この星に降り立つときにだって、転送してくれたのも、仲間である。 「ここ、ですかね……」 くるくると振り子のように廻る、鎖で繋いだ水晶。 ダウジング。 彼はいつもこれで貴重な金属や宇宙から飛来した謎のエネルギーやら遺産を見つけ出すことが出来る。 身体が神秘の象徴水晶で作られている、からだとか。 いつも第六巻を鍛えるように占っているからだとか。 彼の製作者、もとい父もその彼のこの特殊能力は説明しきれない。 クリスタルとしては、今の科学では説明しきないものを探し出すことに長けたのは――多分、父のため。仲間のため。そしてあの大いなる野望のためとしか言いようがない。 ――世界征服。 そう、これもまた大いなる野望の一歩ともいえる。 そしてどんな宝かは知らないが、ぞろぞろと現われる宝の番人――氷の魔人たち。 彼のガーネットの瞳がまた、鋭利なナイフのように光った。 「また、ですか……」 小尾の区別はしていないが、おそらく先ほどのものを同じもの。しかし、このまま何もせずにやられるわけにはいかないと、スカイの水晶がエネルギーを溜め、解き放つ。 「クリスタル・アイ!」 オーロラの色とりどりのカーテンが靡く凍てつく大地に水晶の戯曲が奏でられる。 「ぐあああぁぁあああ!」 一気に囲っていた氷の魔人たちはスカイを中心に四方からくるクリスタルの輝きによって吹き飛ばされ、強力なエネルギーの塊によって粉々に氷が砕け散り。 入れ替わりに。 ずどんと大きな物音を立てて何かが落ちてきた。 「ふ~ん、こういうことも出来たのですか」 予想外でしたよと。 少し冷や汗が流れたのをクリスタルは感じた。 「がぁあああああぁあああぁああ!」 砕けた氷の魔人たちが、自分たちのパーツを集め、一つの大きな魔獣へと変貌させる。 大きな牙に、巨体。マンモスのようなそれに変わり果てていた。 もし、これが八ビットゲーム機でお目にかかれたら、ワイリー城の各エリアの守護者のように画面を半分占拠するだろう。 「さて。どうしましょうか……」 己の技でまた砕けたとしても、この不死身の氷の化け物たちはなんらかしらの姿に変わって、クリスタルに再び襲い掛かってくるだろう。 いや、それよりも……。 「ぐぁ、がかああぁあ!」 奇声を上げ、氷河のマンモスを中心に猛吹雪が発生する。 「くっ!」 けして軽くはないボディなのだが、スカイの身体が宙に浮く。 凍てつく風は彼の水晶の身体を容赦なく叩きのめし、さらに上空へと押していく。 氷河獣の攻撃範囲から出されたときには、遥か彼方――しかし、重力には逆らえず、彼は氷の大地へと引き戻され、落ちる。 「うぁあああああ!」 久しぶりに、絶叫したのかもしれない。 冷静沈着な自分が。 恐怖、ですか……。 感じていないといえば嘘ですが……。 少し、瞳が微笑んでいた。 ドグシャ。 ぱらぱらと、美しくも冷遇な氷たちに全身がバラバラになってしまったのかと思った。 あちこち、コードが千切れてしまったのはたしかだが、警戒音が引っ切り無しに電子頭脳に鳴り響くが、まだ、動ける。 「なかなか、やりますね」 動けるから。 まだ戦えるから。 動力炉が早打ちする。 興奮している。 くつくつと笑いも喉から漏れてきた。 はい、理解していますよ……戦闘ロボットの性ですから。 強い相手と戦うというだけで高揚するようにプログラムされているのだから。 いえ、そんな理論だけではありませんけど。好戦的とはいいがたい私にもやはり戦闘狂の流れが組み込まれて、誇りや快感として処理している。 「しかし、今の私にあなたを倒しきれます、かね……」 戦場で破壊されるのはむしろ本望。 だが、相手の苦しむ姿を見られないかもしれないのは……残念ですよ。 本当に。
覚悟を決め、氷のマンモスに挑もうとしたそのときだった。 「ジャスト・ア・モ~メント!」 緊迫した空気をいっきに吹き飛ばす、能天気な声が無線で響く。 レッドの声だ。 それはわかった。でもなんでこのタイミングですか! 「そにゃ、今のままでは勝てないからに決まっているからではニャイか~」 陽気だが、冷酷な言葉。 「だ☆か☆ら、ミーたちのパーティー会場に来たってことよ☆」 冷静に。 「少し遅れてごめん、クリスタル。一気に五体も転送したから大分かかっちまったからな」 勝利を掴むために。 「まだ戦えるか?」 たとえ負傷していても。 「立ち上がれるってことはまだ、いけるんだろ、な」 支えあう。 「ええ。もちろんですとも」 スター、ジャイロ、ストーン、ウェーブ。 「スター・バリアー!」 「ジャイロ・アタック!」 「パワー・ストーン!」 「ウォーター・ウェイブ!」 連携した技は見事に氷の魔獣を捕らえ、粉々にする。 「やったか」 「いや、まだね」 予想したとおり、氷はまた結束しようと動き出す。 マンモスから、次は山にでも変化しようとしているのか、巨大な三角錐へと変貌していた。 「くっ」 「こうなった……クリスタル、これを使うといいにゃ」 グラビディーの手からスカイは何かを咄嗟に受け取った。 「こ、これは!」 「それと、これを使うといい。先ほど失敬したものだが、どうやらここの星の秘宝らしいぞ!」 ウェーブからも。 「まぁ、これも手にしたから遅れたんだよな、登場」 「ジャイロがこけたところから偶然に見つけたんだよね☆」 「でもそれでプロペラが少し拉げたな」 仲間から受け取ったものがスカイの身体をつつみこむ。 そして次の瞬間、WAKU WAKU FAMLY という文字に左からニンジントマトピーマンのプリントされているいかにも家庭的なエプロンを着こなし、いつもなら熱い鉄板で焼きそばを作るクリスタルの勇姿があった。 「行きますよ!」 そして手には青い液体……甘い匂いを発するそれを刻まれた氷の山に振り掛ける。 「そう、これは……」 エイン・パーク特製。夏限定☆カキ氷!
「暑い日でも~、いっぱい遊びたいってお友達はいるよね~」 イチゴ。 「しかし、遊びで夢中になって忘れてしまっていることはないか」 メロン。 「水分取っているか。ちゃんととらないと熱中症になるぞ」 キャラメル。 「ん~、でも冷たいモノも一緒にとりたいよね☆ そんな君に朗報☆」 レモン。 「この夏登場、ブルーハワイです!」 営業スマイルで掛け声エプロン姿のクリスタル・スカイの指差す方向に在るのは先ほどの青い液体を振り掛けた巨大カキ氷である。 そこにはその一部をせっせとエイン・パーク印のカップに綺麗にいれるウェーブが。 詰め終わり、最後にブルーはカメラ目線でこう言った。 「冷たくておいしいかき氷は、君を待っているよ」 五つの楽しく甘い仲間。一個500円にてエイン・パーク売店にて発売中!
「CMかよ!」 「随分凝っているな……」 そのうち出る予定のオレンジと小豆はとりあえず突っ込んだのであった。 クリスタルマンがエプロンを着ている描写を……ということで書いてみました。こんなんになりましたが、楽しめていただけたならば幸いです。リクされた方のみお持ち帰りをお願いします。 では次回3333で。 結構長い道のりだな、おい! PR
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